肌がサビる?肌の酸化を防ぐとシワ・たるみが改善!
お肌のシワやたるみで悩んでいる方はたくさんいますが、もしかすると「お肌の酸化」が原因かもしれません。
酸化と聞くと「サビる?そんなわけないでしょ?」と思うかもしれませんが、実際に私たちのお肌は酸化によって老化が進んでいるのです。
今回はお肌の酸化について、酸化とはどのようなことなのか、そしてそれを防ぐ方法などについてお話をしていきたいと思います。
シミ・シワ・たるみ・肌荒れなどの肌トラブルに悩まされている人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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肌の「酸化」とは?
お肌が酸化する(サビる)というのは想像しにくいことですが、私たちのお肌でも実際に起きていることです。お肌の酸化とはどのような状態なのか、わかりやすく解説します。
酸化とは?
化学の授業で「酸化・還元」という言葉を習ったのを覚えている方もいるかもしれません。酸化とは、原子や分子がほかの物質の電子を奪ってしまうことです。
現実に起こるさまざまな化学反応の中で、電子が足りず不安定な分子が生まれてしまうことがあります。その不安定な分子は、足りない電子を求めてさまよい、ほかの電子を奪ってしまうことがあるのです。
電子を奪われた分子は不安定になりますが、これを化学では「酸化」と呼んでいます。ちなみに、反対に電子を与えて安定させることを「還元」と言います。
お肌を酸化させる物質
お肌もほかの物質と同じように、原子と分子で構成されているので、状況が整えば簡単に酸化してしまいます。
年齢が若ければ、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)などの抗酸化酵素や、ビタミンCなどの抗酸化物質でお肌を守っているのですが、加齢や生活の乱れによって抗酸化力が低くなり、お肌が酸化していってしまうのです。
お肌を酸化させる元凶は、「活性酸素」です。体内で活性酸素が発生すると、細胞を酸化させて不安定な状態にしてしまいます。
実は「老化現象」は、主にこの酸化が原因だとされています。お肌が酸化することでシミやシワが増え、若さを失っていくのです。
肌が酸化する原因
お肌が酸化するのは、活性酸素が原因です。この活性酸素とは一体どのような物質なのか、どのようにして増えていくのかについて見ていきましょう。
活性酸素とは
活性酸素とは、酸化力の強い酸素のことで、ほかの分子の電子を奪う力が非常に強いことが特徴です。活性酸素には、主に以下の種類が確認されています。
- スーパーオキシド
- 過酸化水素
- ヒドロオキシラジカル
- 一重項酵素
人は呼吸をすることで酸素を体内に取り入れ、酸素を酵素(こうそ)の力で化学変化させてさまざまなエネルギーに変換しています。その化学変化の中で、ごくまれに上記のような活性酸素が生成されてしまうことがあります。
人は1日に約500Lもの酸素を体内に取り入れていますが、その約2%が活性酸素に変化しています。
活性酸素は良い働きもする
活性酸素はとても強い力を持った物質なので、人の細胞に対して悪影響を及ぼしてしまいます。しかし、活性酸素は本来、外的から身を守るための物質で、免疫のような役割を持っています。
体内にウィルスや細菌などが侵入すると、それらを攻撃して破壊しようとします。また、免疫細胞として有名な白血球も、異物を破壊するために酸素を大量に取り込み、活性酸素を生成しています。
本来なら人の体を守るために必要な活性酸素ですが、増えすぎることで有害になるということです。
紫外線でも活性酸素は生まれる
肌に紫外線があたると、その部分に活性酸素が発生します。活性酸素は増えすぎると毒になるので、それを除去するためにメラニン色素が発生します。
メラニン色素は活性酸素を除去して肌の酸化を防ぎ、肌のターンオーバーによって不要になった角質などと一緒に排出されていきます。
しかし長時間紫外線にあたり、活性酸素が大量に発生した場合、メラニン色素も同じように大量に分泌されてしまいます。肌を守るためには仕方のないことなのですが、メラニン色素が大量に分泌されると、ターンオーバーだけでは排出しきれず、そのまま色素が沈着(シミ・くすみ)してしまいます。
先天的にメラニンが不足する疾患の「アルビノ」は、この活性酸素を除去する力が人よりも圧倒的に弱いのが特徴です。そのため紫外線などから身を守るすべがなく、皮膚ガンなどになりやすいとされています。
皮脂の放置も酸化の原因
皮膚だけではなく、皮膚から分泌された「皮脂」も酸化しやすい物質のひとつです。皮脂の過剰分泌を放置していると、放置された皮脂が酸化し、それをエサにする菌が増えてニキビの原因になったり、メラニンを発生させてシミ・そばかすの原因になったりします。
皮脂は肌を守るために、皮脂腺から分泌される油状の物質です。外的刺激から肌を守り、また乾燥からも守ってくれるため、肌の健康には欠かせません。
しかし、間違ったスキンケアや食生活の乱れなどによって皮脂が過剰に分泌されてしまうと、不要な皮脂が肌に残ったままになり、酸化してしまう原因となります。
肌の酸化を防ぐには
肌の酸化を防ぐことで、ニキビ・シミ・シワなどのさまざまな肌トラブルが解決します。どのようにすれば酸化を防ぐことができるのか、ひとつずつ確認していきましょう。
紫外線対策
太陽から降り注ぐ紫外線は、活性酸素が発生する原因となります。紫外線対策をきちんとしておけば、肌の酸化を防ぎ、シミやそばかすを予防することができます。
紫外線対策の基本は、日焼け止めクリームを塗ることです。塗り過ぎは肌に良くありませんが、紫外線によって肌が傷むことに比べれば、その影響は微々たるものです。
日焼け止めクリームは特に露出の高い顔や腕を重点的に塗っておくと良いでしょう。紫外線は雨でも曇りでも降り注いでいますので、季節や天候に関係なく塗るようにしましょう。
何度も塗り直しすることが面倒、肌の圧迫感がいやだ!という方は飲む日焼け止めが手軽で使いやすいでしょう。
日傘やツバの広い帽子をかぶることも、紫外線対策には効果的です。また、外を歩くときは、できるだけ日陰を歩くようにするだけでも、紫外線の量を大きく減らすことができます。
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皮脂対策
余分な皮脂が溜まって酸化しないようにするためには、規則正しい生活と毎日のスキンケアが重要です。特に食生活では、糖質や脂質を多く摂り過ぎることで皮脂の過剰分泌を招きますので、栄養バランスの良い食事をこころがけましょう。
また、間違ったスキンケアをしていると皮脂の過剰分泌を招きますので、きちんとスキンケアの知識をつけるようにしましょう。(後程紹介します)
皮脂対策②
皮脂の分泌は主に男性ホルモンがコントロールしており、男性ホルモンが多いと皮脂が過剰に分泌されてしまいます。そして、男性ホルモンの分泌をコントロールしているのが、脳の視床下部という部分です。
視床下部は体のさまざまな機能に指令を出す部位で、特に自律神経を司ることで有名です。ストレスや睡眠不足などが原因で視床下部に乱れが生じると、男性ホルモンの分泌指令に異変が生じ、皮脂の過剰分泌につながるおそれがあります。
運動の習慣などでストレスを発散し、強い精神的ストレスは原因を元から断つことが大切です。また、生活リズムを整えて、睡眠不足にならないように注意しておきましょう。
酸化防止のスキンケア
お肌の酸化防止のために、毎日のスキンケアがとても重要です。正しい洗顔の方法や日焼け止め防止クリームの選び方など、酸化防止のケア方法を確認しておきましょう。
正しい洗顔
間違った方法で洗顔をしていると、余分な皮脂が増えて酸化の原因となってしまいます。それを防ぐために、正しい洗顔のやり方を覚えておきましょう。
皮脂が過剰分泌する原因のひとつとして、「乾燥」が挙げられます。肌が乾燥すると、肌を守るための皮脂が大量に分泌されてしまいます。乾燥肌と脂性肌は対照的な肌質ではなく、同時進行することがあるということです。
肌の乾燥の多くは、洗顔のし過ぎが原因です。朝夜2回、洗顔料を使って洗顔をしている人は、朝の洗顔をぬるま湯だけにしてみましょう。
また、時間をかけて丁寧に洗顔をしている人には、洗顔時間を短くすることをおすすめします。泡をつけてから10~20秒程度で十分汚れが落ちるので、優しくさっと洗うことを意識してみましょう。
洗うことよりも、流すことのほうが大切です。泡が残っていると肌荒れや乾燥の原因となりますので、ぬるま湯でしっかりと泡を落とすようにしてください。
当たり前ですが、ゴシゴシこする洗顔はNGです。泡で洗うイメージで、できるだけ優しく洗いましょう。
紫外線予防
先ほども少し触れましたが、酸化予防のスキンケアに紫外線予防は欠かせません。日焼け止めクリームには、主に紫外線吸収剤入りと紫外線散乱剤入り(ノンケミカル)の2種類があるので、肌質やシーンによって使い分けることが大切です。
紫外線吸収剤入りの日焼け止めは、無色透明で肌に馴染みやすいのが特徴です。肌に紫外線を吸収し、化学的に分解・放出して肌への浸透を防いでくれます。
紫外線吸収剤は紫外線の予防力が高いのがメリットですが、人によっては刺激が強く、肌の負担になってしまうことがあります。
紫外線散乱剤入りの日焼け止めは、白濁のクリーム状で肌に馴染みにくく、ベタベタしてしまうなどの特徴があります。こちらは肌に紫外線を吸収せず、肌の表面で紫外線を反射することで、紫外線の吸収を予防します。
予防力は紫外線吸収剤に比べて弱いですが、その分肌への負担も少なく、日差しの弱い日など日常使いに向いています。
普段は紫外線散乱剤入りを使い、夏場や直射日光の当たる場所へ出かけるときは紫外線吸収剤入りを使い分けるというのが基本です。ただし、個人の肌質によって向き不向きがありますので、自分の肌や使うシーンに合わせて使い分けることが大切です。
日焼け止めを塗るのが面倒という方には、「飲む日焼け止め」を上手に利用することをおすすめします。
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肌の酸化を防ぐ食事
肌の酸化は食事によっても防ぐことができます。基本的には、タンパク質を多めに摂るようにして、ビタミン・ミネラル・食物繊維を補助栄養として補うことが大切です。
タンパク質
肌の酸化を防ぐためには、原因となる糖質と脂質を控える必要があります。糖質と脂質を控えると、必要なカロリー摂取量が減ってしまうので、タンパク質でカロリーを補充することになります。
タンパク質は、肉類・魚類・豆類・乳製品に多く含まれており、人の体を形成するために欠かせない栄養素です。
肌の細胞はもちろん、爪や髪の毛もタンパク質で構成されているので、不足しないように毎日しっかり食べるようにしましょう。
ビタミン
ビタミンには、お肌の酸化を防ぐ効果があります。特にビタミンCは多くの基礎化粧品に利用されているほど、酸化防止の主要成分となっています。
ビタミンCは、ブロッコリー・ほうれん草・カリフラワー・パセリ・小松菜などの葉物野菜と、オレンジやグレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれています。
食べて体に貯めておくことができない(すぐに排出されてしまう)ので、できるだけ毎食ビタミンCを摂るようにしてください。ビタミン・ミネラルは微量栄養素なので摂り過ぎに注意しながら、バランス良く栄養摂取しましょう。
ミネラル
ミネラルとは、亜鉛・鉄・カルシウム・マグネシウムなど無機物の総称です。ビタミンと同じく微量栄養素なので、摂り過ぎには注意しなければいけませんが、不足すると体に不調をきたすおそれがあります。
ミネラルやビタミンは相互に影響し合っているので、効果を発揮するにはバランス良く摂取することが大切です。特に亜鉛・鉄は抗酸化作用のあるビタミンCの吸収を助ける働きがあるので、不足しないように気をつけましょう。
食物繊維
食物繊維が不足すると、腸内環境が悪化して活性酸素が発生しやすくなります。腸内環境を良くしていくためには、継続的に食物繊維を摂って腸内をキレイにしておく必要があります。
1~2日では腸内環境に変化は起きませんが、3~6ヶ月を目安に継続することで善玉菌が増え、酸化しにくい体を内側から作ることができます。
酸化した肌を改善するスキンケア
肌が酸化してシワやニキビができてしまった場合、スキンケアをきっちり行うことで改善させることができます。目的に合った基礎化粧品を選び、酸化した肌の改善を目指しましょう。
オススメ 腸内環境を整えるために必要な食物繊維はおいしい青汁が有効
ビタミンC誘導体
ビタミンCには抗酸化作用があると言いましたが、抗酸化作用のある基礎化粧品には「ビタミンC誘導体」と呼ばれる成分が含まれています。
誘導体とは、元の成分とほぼ同じ化学式で作られた別の成分です。元の成分を少し変化させて、弱点を取り除いたり、効果を高めたりしているものです。
ビタミンCはそのままだと化粧品に使うことができないので、研究者が開発したビタミンC誘導体を含んでいます。
ビタミンC誘導体は抗酸化作用のほかに、美白効果なども期待できます。化粧水・美容液・美容クリームに含まれていることがあるので、ぜひチェックしてみてください。
ナールスゲン
近年注目されているナールスゲンは、エイジングケア化粧品の成分として使われています。ナールスゲンは軽微な酸化力があり、肌に適度な刺激を与えて「線維芽細胞」を活性化させる働きがあります。
線維芽細胞とは、エラスチンやコラーゲンなどの美容成分を生成する細胞のことで、これが活性化しているとお肌に潤いが増え、シワやたるみの改善につながります。
また、ナールスゲンは「グルタチオン」と呼ばれる抗酸化成分を増加させる効果があります。お肌のグルタチオンが増えれば、酸化した肌の改善や予防が期待できるということです。
あまり見かけない成分ですが、現在多くの人に注目され始めている成分です。気になる方は、ナールスゲン配合の美容化粧品を一度試してみてください。
まとめ
お肌がサビるというのはなかなか想像しにくいことですが、目に見えないところで酸化・老化はどんどん進行しています。
お肌が酸化するとニキビ・シミ・シワ・たるみなどさまざまな肌トラブルの原因になります。
食生活やスキンケアなど、自分でできることはたくさんあります。日々の積み重ねで肌の老化スピードも変わってくるので、毎日コツコツと頑張ってみてはいかがでしょうか。