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中性脂肪を減らす食事と気をつけるべき生活習慣

年齢を重ねると、今までと同じ量を食べていても太ってしまうことがあります。

それは、中性脂肪が溜まりやすい体質になっている証拠です。そうなるといくら食事制限を頑張っても、なかなか痩せることはできません。

中性脂肪を減らすには一体何が効果的なのでしょうか。

今回は、中性脂肪を減らして痩せたい人のために、効果的な食事法と気をつけるべき生活習慣について解説をしていきたいと思います。

 

中性脂肪とは

中性脂肪はとても身近な物質のように感じますが、実は現在でも研究が続いている、まだまだ未知数の物質です。日本では2017年7月に「一般社団法人 中性脂肪学会」が設立されたところです。

糖質からブドウ糖へ

中性脂肪とは、私たちの体を動かすためのエネルギーとなる物質です。主に糖質を摂ることで増えるとされており、体脂肪が増える原因となります。

食事から糖質を摂取すると、腸内でグルコース(ブドウ糖)まで分解・消化されて血液に吸収されます。血液に吸収された糖を「血糖」と言い、その濃度(値)を「血糖値」と呼んでいます。

血糖値が上がると「インスリン」と呼ばれるホルモンが分泌され、血液中の糖を各細胞に運び込んでいきます。これが細胞にとってエネルギーとなり、私たちの動く力となるのです。

ブドウ糖からグリコーゲンへ

ブドウ糖(グルコース)は細胞のエネルギーとなるので、インスリンによってどんどん運ばれていきますが、糖質を摂り過ぎていると余ってしまうこともあります。

余ったブドウ糖は、肝臓で合成されてグリコーゲンとなります。グリコーゲンは肝臓に蓄えられますが、70~100g程度しか貯蓄できません。

グリコーゲンから中性脂肪へ

肝臓でも貯蔵できないほどグリコーゲンが増えてしまうと、肝臓はグリコーゲンを「中性脂肪」へと変換してしまいます。変換された中性脂肪は血液中を流れていき、体脂肪となってしまいます。

元は人が必要なエネルギーなので、むやみに排出したりせず、飢餓に備えて貯蔵しようとしてしまうのです。大昔の人にとっては生きるためにとても重要な機能ですが、この飽食の時代(特に日本)では、あまり意味のない機能かもしれません。

中性脂肪と体脂肪の違い

ここでひとつ疑問となるのが、中性脂肪と体脂肪の違いではないでしょうか。どちらも太る原因となりますが、別のものだと認識しておきましょう。

中性脂肪は先ほど解説した通り、血液中を流れていたり、肝臓に蓄えられたりしています。その中性脂肪が皮膚の下に脂肪として蓄えられたものが「皮下脂肪」、腸間膜(ちょうかんまく)と呼ばれる小腸の近くに蓄えられたものが「内臓脂肪」です。そして、皮下脂肪と内臓脂肪を合わせて体脂肪と呼んでいます。

体脂肪や中性脂肪の定義はさまざまですが、この考え方が一般的です。人によっては中性脂肪=体脂肪と考えている人もいますし、皮下脂肪や内臓脂肪のことを中性脂肪と呼んでいる人もいるので勘違いしないようにしましょう。

 

中性脂肪が増える原因

中性脂肪

食事制限をしているのに中性脂肪はどうして増えてしまうのでしょうか。せっかく食事を我慢しても、体重が増えてしまっては意味がないですよね?まずはその原因を見ていきましょう。

脂質ではなく糖質が原因

中性脂肪が増える原因は、糖質の摂り過ぎです。ここで注意しなければいけないのは、脂質の摂り過ぎが原因ではないということです。三大栄養素の糖質・脂質・タンパク質の中で、「糖質を減らすこと」が重要なポイントとなります。

もし健康診断などで「コレステロール値が高い」「脂質異常症が見られる」などの診断が出ている場合は、脂質の制限が必要です。しかし「中性脂肪値が高い」という診断の場合に必要なのは、糖質やアルコールの制限です。

間違った食事制限

今まで食事制限をしていても痩せなかったのは、糖質ではなくタンパク質や脂質を減らしてしまっていたからです。糖質をしっかり制限できていれば、きちんと痩せることができます。

間違った食事制限は痩せないだけでなく、カロリー不足や栄養不足となって体調を崩してしまったり、リバウンドの原因となってしまうことがあります。特に大切なのは、カロリーの摂取です。

カロリーは人が生きていくうえで必ず必要になるエネルギー源です。カロリーが不足すると動く体力がなくなり、頭がぼーっとしたり、ふらついてしまったりします。さらには免疫力も落ち、風邪をひきやすくなるでしょう。

 

正しく中性脂肪を減らすには

中性脂肪が増える原因は糖質であると言いましたが、正しく制限するために、もう少し基礎的なことを確認しておきましょう。

糖質とカロリーの違い

一般的に、糖質とカロリーを同じように考えている人はたくさんいます。実際似ているところもあるので、その違いがあやふやになっているのかもしれません。

糖質とは、栄養素の一種です。分類的には炭水化物に含まれており、さらに単糖類・二糖類・多糖類・でんぷんなどに分けることができます。

カロリーは各栄養素に含まれている熱量(エネルギー)のことで、単位は「cal・kcal」で示されます。カロリーは糖質・脂質・タンパク質にだけ含まれており、ビタミン・ミネラル・食物繊維には含まれていません。

それぞれのカロリー量も決まっており、糖質とタンパク質は1g中4kcal、脂質には1g中9kcalが含まれています。例えば、糖質10g、タンパク質10g、脂質10gを食事で摂取すると、合計170kcalを摂っていることになります。

中性脂肪を減らすには糖質を減らすこと

正しい食事制限は、カロリーではなく糖質を減らすことです。カロリーをしっかりと摂りつつ糖質を制限できていれば、中性脂肪はどんどん落ちていきますので、適正体重まで痩せることができます。

糖質を減らすとカロリーの摂取量も減ってしまうので、タンパク質と脂質でしっかり補うよう心がけておきましょう。

カロリー摂取量の目安は、年齢や性別、運動量などによって異なります。運動をあまりしない女性であれば、1日1700~1800kcalが目安。毎日1~2時間以上の激しい運動をする女性であれば、1日2700~2800kcalが必要です。

男性であれば、運動量が少なければ2150~2250kcal、運動量の多い男性なら3400~3550kcalが目安となります。糖質を減らしつつ、このカロリー量を維持できるようしっかりと食事内容を考えましょう。

 

中性脂肪を減らすための食材

糖質制限

中性脂肪を減らすために細かな数字ばかり注目して見てきましたが、次は実際の食材について解説していきます。どのような食材がおすすめなのか、具体的な食材を見ていきましょう。

タンパク質の豊富な「肉類・魚類」

意外かもしれませんが、中性脂肪を減らすには肉類がおすすめです。糖質は植物の光合成によって生成されますので、お肉やお魚に糖質は一切含まれていません。

それどころか、組織の生成や体内の代謝に必要なビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、とても健康的な食材です。魚にいたっては、DHAやEPAなどの必須脂肪酸(体内で生成できない脂肪酸)が含まれているので、定期的に摂取したほうが良い食材です。

植物性タンパク質の宝庫「豆類」

豆類は、糖質制限中には欠かせない食材です。タンパク質・ビタミン・ミネラルが豊富で、糖質制限中不足しがちな食物繊維がたっぷり含まれています。

豆類の中でも特に「大豆」は肉類にも匹敵するほどのタンパク質が含まれており、筋トレ中のプロテインの代わりにもなるほどです。豆類の中には、あずき・緑豆・いんげんまめ・そらまめなど、糖質を多く含む食材もあるので注意が必要です。

大豆はそのまま食べるだけでなく、さまざまな加工品に利用されています。例えば、豆腐・味噌・しょうゆなど、よく食卓に並ぶこれらの食材はすべて大豆製品です。ほかにも、もやし・枝豆・きな粉・納豆・豆乳など、さまざまな加工品があるので、積極的に食事に入れていきましょう。

完全栄養食「卵」

卵は食物繊維とビタミンC以外のほぼすべての栄養がバランス良く含まれており、完全栄養食と呼ばれることもあります。ただしコレステロールが多く含まれているので、高脂血症(脂質異常症)などと診断されている方は控えたほうが良い食材です。

健康な方は、1日2個以上食べても問題はありません。少し前までは1日1個までとされていましたが、科学的根拠がないとして厚生労働省でもその制限を撤廃しています。

良質なカルシウムを含む「チーズ」

卵と同じように脂質が多いため、脂質異常症の方は制限が必要ですが、中性脂肪を減少させるだけなら積極的に食べたい食材です。

チーズの栄養は、なんと牛乳の約10倍にもなります。つまりチーズを100g食べると、牛乳を1L(1000ml)飲んだのと同じ栄養を摂取できるということです。

パルメザン・ブルー・カマンベール・プロセスなど、チーズの種類によっても栄養価は異なりますが、どれも非常に豊富なタンパク質とビタミンが含まれています。

栄養バランスを整える「葉菜類」

ダイエットは野菜の摂取が重要と考える人は多いのですが、何も考えず野菜を食べるだけでは痩せることはできません。特に根菜やイモ類は糖質が多いので、できるだけ糖質の少ない葉菜類(ようさいるい)を摂ることが、中性脂肪を減らすことにつながります。

葉菜類には、糖質制限中に不足しがちなビタミンCと食物繊維が豊富に含まれています。特にビタミンCは乳製品や豆類にはほとんど含まれておらず、肉類や魚介類でもほとんど摂取することができないので、葉菜類から積極的に摂っておきましょう。

葉菜類といっても、ほうれん草・小松菜・キャベツ・レタスなどさまざまですが、おすすめはブロッコリーです。レモンの約2倍もあるビタミンCと、食物繊維も豊富です。食べ過ぎには注意ですが、不足しがちな栄養素を補うのにはぴったりです。

 

中性脂肪が増えやすい食材

中性脂肪

おすすめの食材だけでなく、中性脂肪が増えやすい食材もご紹介します。基本的には制限する食材ですが、分量を調節しながら食べることもできます。

糖質の多い食材その1「ご飯」

中性脂肪を減らしたいのであれば、まずは毎日食べる白ご飯を減らしましょう。白ご飯は炭水化物(糖質+食物繊維)のかたまりなので、たくさん食べているとすぐに糖質オーバーとなってしまいます。

軽く1杯で約150gですが、その中に糖質は約55g含まれています。糖質55gというのは、砂糖大さじ約6杯分です。軽く1杯で150gなので、よく食べる男性なら1.5~2倍ほどの糖質になってしまう可能性もあります。

糖質制限をするなら、まずは白ご飯・パン・パスタなどの炭水化物系の食材を減らすのが基本です。カロリー不足にならないよう、肉類や魚類はしっかりと食べるようにしましょう。

糖質の多い食材その2「小麦粉」

糖質制限をしていると、肉類や魚介類がメイン食材になるかと思います。しかしその調理法には少し注意をしなければいけません。お肉や魚をメイン食材にしていても調理に「小麦粉」を大量に使ってしまうと、糖質が多くなってしまうからです。

小麦粉はパンやうどんだけでなく、さまざまな料理に使われていますよね。例えば、鶏のからあげは肉料理ですが、小麦粉や片栗粉などをたくさん使います。同じ肉料理でも、炒め物や塩焼きなど、できるだけ小麦粉や片栗粉は使わないように気をつけましょう。

糖質の多い食材その3「はるさめ」

中華料理に使われるはるさめや、お鍋に入れるマロニー・くずきりは、非常に糖質の多い食材のひとつです。原材料に小麦粉は使われていないので、うどんやパスタよりも糖質は少ないだろうと考える人はたくさんいるはずです。

しかし原料の70~80%は糖質の一種である「でんぷん」なので、うどんやパスタと同じように中性脂肪が増える原因となります。もしお鍋などをするのであれば、こんにゃくが原料の「しらたき」を使うようにしましょう。

糖質の多い食材その4「じゃがいも」

はるさめやマロニーと同じく「イモ類」にもでんぷんが多く含まれているため、中性脂肪が増えやすい食材です。じゃがいも・さつまいも・里芋・長芋・山芋は糖質が多いことで有名ですが、こんにゃく芋は糖質が少ないので覚えておきましょう。

糖質の多い食材その5「とうもろこし」

イモ類と同じように、とうもろこしにも多量のでんぷんが含まれています。とうもろこしを丸ごと1本食べると、糖質の摂取量は約20gとなります。そこまで多くはありませんが、サラダやスープなどで知らないうちに摂取してしまうこともあるため、注意が必要です。

とうもろこしを原料にでんぷんを取り出したものを、コーンスターチと呼びます。コーンスターチは食品の凝固剤として使用されていたり、ビールや発泡酒の副原料として使われていたりします。表示には「スターチ」と書いてあることもあるので、注意しておきましょう。

 

中性脂肪を減らす日常生活

運動

中性脂肪を減らすには、日常生活でも気をつけるべきポイントがあります。厳しい食事制限をしなくても良いように、日ごろから中性脂肪をつけない生活習慣を心がけておきましょう。

中性脂肪を減らす運動

はじめに解説したように、中性脂肪は人が生きるためのエネルギーとなります。そのエネルギーは生命活動だけではなく、運動をすることでも消費されていきます。つまり、定期的に運動をすることで、中性脂肪をエネルギーとして消費して減らすことができるのです。

中性脂肪を減らす運動としては筋トレでも有酸素運動でも、なんでも問題ありません。これから肉体改造をしたいという人はジムで筋トレをしても良いですし、運動不足で中性脂肪が気になるという方は簡単なランニングから始めても良いでしょう。

体重が増えすぎてランニングもツラいという方は、1日30分のウォーキングからはじめてみましょう。ダラダラ歩くのではなく、少し息があがる程度の速度で、腕をしっかり振って歩くのがポイント。呼吸がつらくなるほどの速度は速すぎなので、余裕を持って少し会話ができるくらいの速度を維持するようにしましょう。

お酒を控える

お酒の飲み過ぎは、中性脂肪を増やす原因となります。肝臓ではブドウ糖をグルコーゲンへと変換し、さらに中性脂肪へと変換しています。中性脂肪を溜め込む働きもあるため、肝臓の活動は中性脂肪の増減に大きく関わっています

そして、お酒に含まれるアルコールを分解するのも肝臓の役割です。アルコールは体にとって大きな負担となるので、何よりも優先的に分解しようとします。

肝臓の働きがアルコール分解に占領されてしまうと糖質がうまく分解できず、さらに中性脂肪もきちんと排出できずに溜め込んでしまうことがあります。そうなると中性脂肪はどんどん増えてしまい、肝脂肪や肝臓疾患と診断されてしまいます。

 

さいごに

中性脂肪は、コレステロールと同じく健康診断で気になるポイントのひとつではないでしょうか。歳を取ってから増えてしまうと、なかなか元に戻すのは簡単ではありません。

しかし増えすぎると肝臓疾患として将来大変なことになるので、できるだけ早いうちから対策をしたほうが良いでしょう。

少しでも中性脂肪値を維持・改善するために、今できることから始めてみましょう。

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