ターンオーバーを理解してお肌を生まれ変わらせる方法
“ターンオーバー“なんとなくは分かっている、つもり、本当に分かっているかは自信ない・・・という方がほとんどと言えるほど多いのではないでしょうか?
しかし!お肌って人の印象を左右する大事なポイントですよね。回り道している場合ではありません。
でも、ターンオーバーを正しく理解していたら、これからのお肌が見違えるように変わってきますよ!
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ターンオーバーとは?
お肌の生まれ変わり、新陳代謝のことです。
さて、この新陳代謝とは?これもまた曖昧ですね。
新陳代謝とは?
新しい細胞をつくり古く死んだ細胞と入れ替わっていく、再生のことを言います。
お肌に限らず体の中で日々行われています。
ただし、体の中でも永久歯のようにもともと細胞が無く、再生されない部分も有ります。そして、部分によって再生の周期が異なり、年齢とともに低下していきます。
お肌のしくみ
ターンオーバーを理解する上でお肌のしくみや働きを知ることも重要です。また、正しいスキンケアにも役立ちますのでご説明しましょう。
皮膚は、皮下組織・真皮・表皮から成っています。
皮下組織
皮下脂肪ともいって、骨や内臓へのクッションとなったり、動脈や静脈によって栄養を運んだり蓄えたり、老廃物を排出するなどの役割を果たします。
真皮
毛細血管、汗腺、皮脂線などがあり、コラーゲンやエラスチンという弾力のある線維が太くしっかりしていると、お肌のハリや潤いを保ちます。
この線維の隙間を埋める、うるおい成分のヒアルロン酸は、1gで約6リットルもの水分を保持できます。
表皮
皮膚の一番外側にあり、基底層・有棘(ゆうきょく)層・顆粒(かりゅう)層・角質層の4層からなっています。
表皮の水分が十分でふっくらしていると、外からの刺激の侵入や乾燥を防いでくれる“バリア機能”が働いてくれます。
基底層で新しい細胞を生み出し、基底層にあるメラノサイトという細胞は、紫外線に反応してメラニンをつくり、紫外線が体内に侵入するのを防ぎます。
表皮の中で最も厚い有棘層では、皮膚に栄養を与えたり老廃物の交換などをする為、細胞の間をリンパ液が流れています。また、ここでも紫外線の侵入を阻止しています。
顆粒層は、角質になる準備をしている部分で、バリア機能があり紫外線を屈折させて、肌の奥へ浸透するのを防ぎます。
また、細胞間脂質のセラミドなどをつくり角質層に放出します。これが多いほど肌の潤いが保たれます。
表皮の一番外側にある角質層では、死んだ細胞が薄く重なっています。
水分を含み肌の潤いを保つことで外部の刺激から守り、体内の水分が蒸発しないようにバリアの機能を果たしています。
基底層で生まれた細胞は徐々に硬くなりながら約2週間で角質層に押し上げられ、アカとなってはがれ落ちるまでが更に約2週間、このサイクルがターンオーバーです。
肌のターンオーバーの周期
体のいたる所で行われているターンオーバーは、平均として
骨は90日、筋肉と肝臓は60日、心臓は22日、胃腸は5日
と、部分によりこれだけ差があります。
胃腸はこんなにも早い周期なので、短い期間で腸内リセットしようという“プチ断食”などが流行ったりするのですね。
さて、お肌はというと、手足など遅い部分やお顔の中でも部分によりますが、平均28日です。この周期は年齢によって変わり、個人差もあります。
20代で28日、30代で40日、40代で55日、50代で75日、60代で100日
どうりで子供の時のようには傷がなかなか治らないはずですよね。
ターンオーバーによって常に細胞が入れ替わるので、表皮にできた傷は痕が残らずに治りますが、真皮はターンオーバーしないので、真皮にまで及ぶ深い傷やメラニンは、そのまま残ってしまいます。
ですから、ターンオーバーを遅くならないようにしたい!と思うのは当然なのですが、だからといって早いばかりが良いわけではないのです。
さて、どういったことでこの周期を狂わせてしまうのか、次に原因についてお話ししましょう。
ターンオーバーを狂わせる原因
ターンオーバーが年齢と共に遅れるということは先にもお話ししましたが、年齢に関わらず他にも遅らせてしまう原因も早めてしまう原因もまだまだ沢山あります。
ターンオーバーを遅らせる原因
自律神経が深くかかわってきます。
自律神経とは、内臓の働きを調整するために24時間働き続けている神経です。
体の活動している時、主に昼間にはたらく交感神経と、ゆっくりしている時、主に夜間にはたらく副交感神経という正反対なチャンネルを2つ切り替えています。
このチャンネルがうまく切り替わらないと、新陳代謝が遅れたり様々な不調が現れます。
そして、この自律神経を乱す原因は、ストレス、睡眠不足など不規則な生活、女性ホルモンの減少、運動不足などです。
人間の体には100種類ものホルモンがありますが、成長ホルモンは脳からの指令で分泌され、内臓や筋肉・脂肪などの代謝を促しています。
脳がストレスを感じて発散できずに溜め込んでしまうことで、成長ホルモンの分泌を妨げます。
睡眠中に皮膚に栄養がいきわたり再生されるところを、睡眠不足や質の悪い睡眠、不規則な生活リズムなどは、ターンオーバーを妨げ肌荒れを起こします。
睡眠に入ってから3時間後に細胞分裂を促す成長ホルモンの分泌が盛んになるので、不摂生はお肌の再生の機会を逃してしまうのです。
体をサビつかせる活性酸素が発生しやすくなります。
正常な量の活性酸素は細菌やウイルスを除去する大切な役割を果たしますが、ストレスや紫外線などの刺激を受けて大量発生します。
適量を過ぎてしまうと味方から一転、敵になってしまうのです。
活性酸素を解毒・除去するのが酵素ですが、冷えによってこの酵素が働かなくなるのでリンパの流れも悪くなり、老廃物の排出もスムーズにいかなくなるというように代謝が落ちます。
サビつかせることは老化を早めるだけでなく、しみ・しわ・アトピーだけでなくガンや脳卒中の原因にもなります。“冷えは万病の元“とは、そういうわけなのですね。
ターンオーバーを早める原因
遅らせる原因が内的なのとは反対に、こちらは外的な刺激が原因となります。
肌に直接的なダメージが有る為、再生しようとして通常の周期より早めてしまいます。
そして、その刺激から守ろうとする為に、角質を厚くするのです。
汗が出る際に一緒に皮脂が出るため毛穴詰まりを起こします。
空気の乾燥、ホコリ、エアコン、紫外線・・・肌を乾燥させる原因はたくさんありますが、それらによる乾燥から守ろうとして皮脂が過剰に出ます。
本来、クレンジングはメイクや酸化した皮脂を落とし、洗顔でメラニンを含んだ古い角質などを取り除くものなのですが、優しく丁寧に出来ているでしょうか?
こすり過ぎてしまったり、熱いお湯を使ったりと過剰な刺激を与えてしまうことで、無理に角質をはがしてしまいます。
入浴も同様で、熱いお湯や長風呂には気をつけなければなりません。
また、合成界面活性剤など成分の強いものを使っていると、必要以上に皮脂を落としてしまうことで肌のバリア機能を弱めたり、たんぱく質を変質させてしまう危険性があります。
逆にクレンジング・洗顔をせずに寝てしまうなども、もってのほかです。
メイクはもちろん肌についたホコリや皮脂・汗・雑菌などの汚れを落とさないということは、皮脂腺を詰まらせたり、菌を繁殖させるなどの悪影響だらけです。
このように、ほとんどが気をつければ避けられる事ばかりですし、それによって老化のスピードも緩やかに出来るのですから、ここできちんと理解を深めていきましょう。
ターンオーバーが乱れるとどうなる?
ターンオーバーが遅い
はがれ落ちるはずの古い角質が溜まってしまい、肌がくすみます。
また、紫外線から肌を守るためにつくられたメラニンも排出されずに沈着、シミが増える・濃くなる、しわ等の原因となります。
ターンオーバーが早い
無理に角質がはがされ、まだ準備のできていない未熟な段階で表面に押し上げられると、セラミドなどが十分につくられずゴワゴワした状態で水分を保てなくて乾燥してしまいます。
バリア機能が低い為に過敏に汗や皮脂が出るようになることから、毛穴がつまる、角栓ができる、毛穴の黒ずみ、赤みやニキビなどの肌トラブルに発展していきます。
お肌の保湿と保護につとめなければなりません。
そして、ゴワゴワとした肌のことを古い角質が溜まっていると勘違いしてピーリングをしてしまい、またターンオーバーを早めてしまうという悪循環にハマってしまい勝ちです。
私もこれに関してにがい経験が有ります。
冬に韓国アカスリに行った時のことですが、膝やスネ・かかとに白く粉がふいているような状態だったのがツルツルになり、いくらローションなど塗ってもカサカサから抜け出せなかったのがウソのようにしっとりしました。
古い角質を取り去るタイミングが良かったおかげで、スムーズに再生されてここまでは良かったのですが、その後に調子にのってしまったのが良くなかったのです。
その時あまりにもごっそりとアカがとれたので、数ヶ月後にもアカスリへ行ってみたところ、今度は必要な皮脂までとってしまったようで、数日後ウエストがぐるりと一周赤くミミズ腫れのようになってしまいました。
無理やりターンオーバーの周期を早めてしまった為に抵抗力がなくなり、洋服の摩擦に耐えられないくらいにお肌が敏感になってしまったのです。
これは個人差が有って、頻繁にやっても大丈夫な方も居るでしょうし、私の体調などにもよったかもしれませんが、何事もやりすぎは良くないようですね。
ターンオーバーを正常化させるには
正常に保つためには、とにかく睡眠など規則正しい生活によって自律神経を整える、成長ホルモンの分泌され易い環境をつくることです。
成長ホルモンを活性させる
成長ホルモンは、分泌のピークの思春期を過ぎると減る一方ですが、質の良い睡眠や適度な運動、バランスのとれた食事によってホルモンの減少を抑えられます。
成長ホルモンを作る上で大切なアミノ酸は、たんぱく質を分解して作られますが、人間の体の約20%が20種類ものアミノ酸で出来ています。
命の源とも言われる重要な成分ですから、積極的に摂取することで成長ホルモンが分泌されやすくなります。
- たんぱく質 : 鳥ささみ、焼きたらこ、マグロ赤身、干ししいたけ、チーズ、納豆
- アミノ酸・アルギニン : 大豆製品、かつお節、ゴマ、アーモンド、カシューナッツ
- たんぱく質の代謝を促進する
ビタミンB2 : レバー類、魚介類、牛乳
ビタミンB6 : 青魚、牛レバー、豚もも肉
自律神経を整える
リラックスする環境づくりに、音楽を聴いたりアロマオイルを活用するのもいいですし、体が緩むと心も緩みます。ストレッチやヨガ、マッサージをうまく取り入れましょう。
何気なくしている呼吸ですが、肺には筋肉が無いので自分の力では動けませんから、まわりの呼吸筋が手伝っています。そこで最もストレスと深い関係を持っているのが“横隔膜”です。
この横隔膜はストレスを溜め込むとカチカチに緊張してしまい、深い呼吸を出来なくしてしまうどころか、逆にその凝り固まったものから不快感や憂うつな気分にするという悪循環を招いてしまいます。
ですから、横隔膜の緊張をほぐすことで気持ちもほぐれて、呼吸が深くゆったりしてくると自律神経の働きが正常化します。
なかなか寝付けない時、同じ考えが頭の中をぐるぐる回って離れない時、なんだかスッキリしない時にもオススメです。
誰でもストレスは有りますから、溜め込まないようにストレスの逃がし方をマスターしましょう!
①基本フォーム
立っても座っても寝転んでもOK。完全に力が抜けて、お腹が圧迫されない姿勢をとります。
目は軽く閉じ、お腹に手をあて、軽く息を吐いてから始めます。
②息を吸う
心の中で一つ二つと数をかぞえながら鼻から息を吸います。両手でお腹がふくらむのを確認します。
一生懸命ではなく、気持ちよくすがすがしい空気を体いっぱいに吸い込むことをイメージしましょう。
③息を止める
息を吸いきったら、あごを引き締めて息を止めます。顔や肩を緊張させないように注意します。
最初は少しだけで、慣れてきたら息を吸った4倍の長さまで止められると効果的です。
④息を吐く
心も体も芯から力を抜くように、息を吸った倍の時間で鼻から吐きます。
あごやのどをリラックスさせ、空気の通る音が出ないようにします。
カルシウムをとる
神経の働きの緊張をしずめ、精神的なイライラを抑えます。
→ 牛乳・ヨーグルト・チーズ
冷えの解消
体の深部温度が1℃上がる毎に代謝効果は約13%上がるという『ヴァンホッフの法則』によると、2℃上げられたら代謝は26%上がり、10歳若返る!というわけです。
年代 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
---|---|---|---|---|---|---|
通常の 代謝 |
20日 | 28日 | 40日 | 55日 | 75日 | 100日 |
26%upの |
15日 | 21日 | 30日 | 40日 | 56日 | 74日 |
適度な運動や入浴などで、積極的に体を温めるように心がけましょう!
活性酸素を減らす酵素玄米やローフードが最近では流行ってきています。
ローフードとは、生の食べ物のことで、生で摂ることで植物の酵素や栄養素を効果的に吸収できるのです。
酵素にも消化酵素と代謝酵素があり、消化酵素はその名の通り消化のために分泌されます。
代謝酵素は、毒素の排泄やホルモンの分泌にとどまらず、血液の運搬、呼吸など最も大事な働きをします。その大事な酵素を消化か代謝かどちらに使うのか、なのです。
現代の食事の欧米化により、肉類や加工食品、乳製品、お菓子などが消化酵素を大量に消費する為に、代謝酵素がおろそかになり易く、代謝が低下します。
→ 疲れやすい・朝の目覚めが悪い・風邪をひきやすい・肌が荒れる
生の野菜や果物は消化酵素をあまり使わないので、代謝を上げる為にはローフードがいいのです。
体を冷やしてしまわないか心配かも知れませんが、生の食物に含まれる食物酵素は代謝を促進するので、血行が良くなって冷えの改善にも効果的です。
私もスムージーは飲むようにしていますが、腸が整い体のむくみが気にならなくなったせいか、体が軽い感じがしますので、便秘でお悩みの方にオススメです。
たばこの成分ニコチンが、血管を収縮させて血行を悪くします。
また、老化防止に必須のビタミンCを大量に消費してしまうだけでなく、活性酸素を発生させますので、摂取は控えたいですね。
プーアル茶・紅茶・ココア
冬になるとなんとなくココアが飲みたくなるのは、体が自然に求めていたんですね。
正しいスキンケア
適度なピーリングを定期的に行うことが効果的ですが、やりすぎに注意しましょう!
夏場、シャツのえり汚れが気になりだしたら、首のピーリングをするといいですよ。古い角質は体臭の元にもなるので要注意です。
水分摂取
人間の体の60%は水分ですから、表面の乾燥に対しての保湿に限らず、新陳代謝には内側からの水分補給も大事です。
その際に気をつけたいのが、ジュースなどで糖分を摂りすぎない事です。
熱中症予防でスポーツドリンク等を大量摂取して、糖尿病になってしまうお子さんが急増したという事も問題になりました。
氷の入った水・常温の水やお茶は、体の水分補給として蓄えられますが、一度に大量に飲むと体内に吸収しきれず排出されてしまいますから、少しずつ分けてこまめに摂りましょう。
まとめ
しつこく言ってきましたが、ターンオーバーは促進するのではなく、いかに正常な状態を保てるかがカギだったのですね。
それには、いずれにしても規則正しい生活習慣こそが大事だということです。
つやつやとしたハリや透明感のあるお肌づくりには、健康的な体という土台があってこそ!です。
スムーズなターンオーバーのためにも、美肌的生活習慣を心がけましょう!