乾燥肌に必要な基礎化粧品の役割と正しい使い方【基礎化粧品の基礎知識】
お肌の乾燥で悩んでいる女性はとても多いと思います。お肌の乾燥はあらゆる肌トラブルの原因となり、肌荒れ・ニキビ・かゆみ・ひび割れ・シミ・シワなどを引き起こしてしまいます。
そんなときに大切になるのが、美肌の基本となる「基礎化粧品」です。
水分を補充する化粧水、美容成分を閉じ込める美容液など、それぞれの違いをしっかり意識してスキンケアを行うことが大切です。
今回は、美肌を作るための「基礎化粧品」に注目して、正しいケア方法をご紹介していきたいと思います。
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基礎化粧品とは?
そもそも基礎化粧品とは、どのような役割を持つ化粧品なのでしょうか。
基礎化粧品は、肌を清潔に保ち、肌質の改善や維持を目的とする化粧品のことです。基礎化粧品には、化粧水・美容液・乳液・クリームなどが挙げられます。
これに対して、ファンデーション・口紅・アイシャドーなど、肌荒れやシミなどを「隠す」ことを目的とする化粧品のことを「メーキャップ化粧品」と呼ぶことがあります。
また、メイクや汚れを落とすための洗顔料やクレンジングを「洗顔用化粧品」と呼びます。洗顔用化粧品は、肌質を整える効果もあることから、基礎化粧品のひとつとして考えられることもあります。
基礎化粧品の目的
基礎化粧品は、素肌をキレイにすることを目的としています。基礎化粧品による毎日のケアで肌質を維持できていれば、メーキャップ化粧品による化粧が薄くても、きれいな仕上がりになります。
基礎化粧品のケアを怠っていると、肌に水分がなく、キメの粗い肌質になってしまいます。そうすると、どれだけお化粧に時間をかけてもキレイな仕上がりにはなりません。ファンデーションのノリが悪かったり、どうしてもシミが目立ってしまったりするのです。
化粧品と医薬部外品の違い
基礎化粧品には「化粧品」と「医薬部外品」が存在します。これは「薬機法(旧薬事法)」で決められている重要な分類です。
化粧品は「美容」を目的とした商品のことで、人に大きな影響を与える成分は含まれていません。主に保水・保湿・香り・メイク・洗浄などを目的としていますが、生体に変化を与える効能は含まれていません。
医薬部外品は、人体に何らかの影響を及ぼす「緩やかな効果」が認められている商品のことです。含まれる成分については厚生労働省の認可が必要で、製造所や製造過程においても厳しい審査があります。
実はもうひとつ「医薬品」と呼ばれる分類が存在しますが、こちらは医師の処方が必要な「お薬」なので、基礎化粧品には該当しません。
基礎化粧品のそれぞれの役割
基礎化粧品は主に、化粧水・美容液・乳液・クリームの4種類を使い分けるのが基本となります。ほかにもパックやジェルなどもありますが、まずはこの4種類の役割を抑えることが大切です。
化粧水の役割
化粧水は、お肌に水分を補充することが一番の目的です。化粧水のほとんどは水でできていますが、肌に浸透しやすいように、グリセリンやエタノールなどが配合されているものがほとんどです。
「肌に優しい無添加」と表示が出ていても「ただの水」の可能性もありますし、「奥まで浸透」と表示されていても、エタノール(アルコール)の配合量が多くお肌への刺激となってしまうこともあります。
人によって合う・合わないが出やすいのが化粧品の特徴で、自分の肌に合う化粧品を見つけるのは簡単ではありません。
美容液の役割
美容液は、お肌に美容成分を浸透させることが目的の基礎化粧品です。美容成分とは、主に保水機能のある「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」のことです。
ほかにも美白効果のある「ビタミンC誘導体」や、アンチエイジング効果のある「プラセンタ」なども有名な美容成分です。このような美容成分は数えきれないほどあるので、自分の肌に合わせて美容液を選ぶことが大切です。
乳液の役割
基礎化粧品の中でも比較的「油分」が多い乳液は、浸透させた水分や美容成分を逃がさないためのフタとなる役割があります。化粧水で水分を補充しても、そのままにしておくとすぐにまた乾燥してしまいます。それを防ぐために、乳液でフタをしてしまうのです。乳液は保湿だけでなく、化粧下地になるタイプやUV効果のあるタイプも存在します。
クリームの役割
クリームも乳液と同じく、水分を保持するためのフタの役割があります。乳液はある程度水分も含まれているため保水・保湿の役割がありますが、クリームはほとんどが油分となっており、「皮膚の保護」という役割のほうが大きいです。
乳液かクリームで迷っている人は、自分の肌質を考慮して選ぶのがおすすめです。乳液とクリームはどちらかで良いのですが、乾燥肌であれば両方使っても問題ありません。
脂性肌であれば、乳液だけでも大丈夫です。のちほど解説する混合肌であれば、乾燥を保護するタイプのクリームを選ぶのがおすすめです。
スキンケアの基礎知識
スキンケアは保湿だけでなく、基礎化粧品の使い分けや、その前の洗顔も非常に重要なポイントです。知らないあいだに肌を傷つけてしまわないよう、スキンケアの基礎知識を確認しておきましょう。
化粧落とし(クレンジング)
スキンケアの基本は、正しい洗顔を覚えることからはじめます。しかしその前に、お化粧を落とすときにも大切なポイントがあります。(お化粧をしない人は、読み飛ばしてOKです!)
多くの人はメイクを落とすために「クレンジング」を利用するかと思います。まずクレンジング選びは、できるだけ低刺激のタイプを選ぶようにしましょう。クレンジングは落ちにくいメイクを落とすために、強力な洗浄力を備えているものが多く、お肌にとってあまり良くありません。
クレンジングでもっとも大切にしてほしいポイントは、わけて使うということです。特にマスカラやアイシャドーなどのメイクの濃い部分は別で洗浄してください。目元を落としたクレンジング剤でそのまま顔全体を洗ってしまうと、落ちたマスカラやアイシャドーがほかの部分につき、色素沈着を起こしてしまうことがあります。
正しい洗顔のタイミング
スキンケアの基本として、正しいタイミングで洗顔を行うことが大切です。洗顔が多すぎても必要な皮脂を落としてしまいますし、少なくても肌トラブルの原因となります。
基本的には、朝と夜の1日2回、洗顔をするようにしましょう。脂性肌の人は、朝と夜どちらも洗顔料を使い、丁寧に洗いましょう。乾燥肌の人は、朝はぬるま湯ですすぐだけにしておき、洗顔料を使うのは夜だけで十分です。
夜はお風呂上がりすぐか、お風呂から上がる直前がベストタイミングです。お風呂に入って最初に洗ってしまうと、体や頭を洗っているあいだにも乾燥が進行してしまうので、できるだけ最後に洗顔をし、そのあとすぐに保湿できる状態であることが大切です。
正しい洗顔のやり方
スキンケアは洗顔のやり方がとても重要です。多くの人が間違った方法で洗顔をしており、自分の肌を傷つけてしまっています。
まずはたっぷりのぬるま湯で顔をすすぎます。この時点で、ほとんどの汚れや余分な皮脂は落ちていると考えておきましょう。そして手で洗顔料を泡立て、優しく顔にのせます。できるだけ優しく、素早く、細かく洗っていくのがポイントです。
洗顔料は洗浄力が強いので、できるだけ時間をかけずに10~20秒ほどで洗い流すのがベスト。熱すぎないぬるま湯で、しっかりと流しましょう。泡が残っていると肌荒れやかゆみを引き起こす原因となります。
最後に柔らかい清潔なタオルで、優しく顔を拭いて完了です。最初から最後まで、できるだけ優しく、ゴシゴシ擦らないのが重要なポイントです。
保湿ケアのタイミング
保湿は洗顔後に行うのがスキンケアの基本です。ただし強い紫外線にあたる夏場や、真冬の乾燥する季節などは、気になったときに保湿しても問題ありません。
洗顔の基本は1日2回なので、保湿ケアも1日2回となるはずです。朝起きたときにぬるま湯で洗顔し、そのあとに保湿。そして夜に洗顔をしたらそのあとにすぐ保湿をしましょう。
乾燥が気になったときに保湿をするというやり方で、1日に何度も保湿する方がいますが、あまり良くありません。保湿をしすぎると、大切な皮脂の分泌を阻害してしまったり、汚れが付着してしまったりすることがあります。
特に乾燥しているときはもちろん保湿したほうが良いですが、それ以外ではできるだけ1日2回を目安にしておきましょう。
基礎化粧品の順番
保湿ケアの基本は、化粧水や乳液などの基礎化粧品をつけることです。その順番を間違えると効果が半減してしまうので、基本的なことですが改めて確認をしておきましょう。
大切なのは、水分の割合が多いものからつけていくということです。つまり、ほとんど水分で構成されている化粧水・美容液をつけます。そのあとに油分の多い乳液・クリームをつけていきましょう。商品にもよりますが、基本は化粧水・美容液・乳液・クリームの順番で問題ありません。
美容液は種類が豊富なので、商品に記載されている使用方法に従いましょう。場合によっては化粧水の前につけることを推奨しているメーカーもあります。わからなければ、メーカーに直接問い合わせることも大切です。
パックも同じように、商品に記載されている順番で行います。基本的には化粧水のあとにパックをして、そのあと乳液やクリームをつけるタイプが多いです。商品によっては化粧水の前にパックをすると書いていることもありますので、きちんと確認しておきましょう。
肌タイプの特徴
化粧水や美容液は、自分の肌タイプに合わせて選ぶ必要があります。まずは自分がどのような肌タイプなのか、その特徴を知ることからはじめましょう。
普通肌
乾燥や皮脂の過剰分泌がなく、健康的な肌を普通肌と分類します。肌荒れやニキビなどの肌トラブルも起きにくく、肌質としては一番良い状態です。
基準は、水分の量と油分の量です。水分の量が少ないと乾燥し、多ければ多いほど健康的な肌となります。対して油分は皮脂量のバランスが重要で、多すぎても少なすぎても良くありません。
つまり水分量が多く、皮脂量のバランスが良い肌質が健康的な普通肌と言えるでしょう。大切なのは、水分が少ないからといって、油分も少ないとは限らないということです。
乾燥肌
今回の記事のメインテーマ「乾燥肌」です。乾燥肌は肌の水分量が少ない肌質のことで、油分は関係ありません。もちろん油分が少ないと乾燥しやすいのは間違いありませんが、油分が多くても乾燥肌になってしまうこともあります。
乾燥肌は、普通肌よりも肌トラブルを引き起こす可能性が非常に高いです。肌荒れやニキビはもちろん、シミ・シワ・たるみも乾燥が原因であることが多いのです。
乾燥肌の特徴は、肌が白くかさついていることが挙げられます。ほかには、洗顔後のつっぱりや、かゆみがある場合は乾燥肌になっているかもしれません。
脂性肌
脂性肌は油分の量が多すぎる肌質のことを言います。油分とは主に皮脂のことを指します。皮脂が過剰に分泌される体質であれば、脂性肌になっているかもしれません。この場合水分量は関係なく、水分が多くても少なくても脂性肌になっている可能性があります。脂性肌の場合、余分な皮脂が毛穴につまりやすく、ニキビが発生しやすいのが特徴です。
お肌は常にターンオーバーの働きにより、細胞がどんどん生まれ変わっています。古くなった細胞は少しずつ剥がれ落ちていくのですが、そのときに余分な皮脂と剥がれ落ちた細胞が混じり、毛穴に詰まってしまうこともあります。そして詰まった細胞(角質)が酸化すると黒くなり、黒いポツポツとなって残ってしまうのです。
混合肌
混合肌は、脂性乾燥肌と呼ばれることもある肌質です。肌の一部が乾燥していて、別の部分が脂性になっている肌質のことを指します。多いのは、おでこから鼻筋にかけたいわゆるTゾーンは脂性肌で、頬・唇・目元は乾燥しているということがよくあります。
さらに、ひとつの部分で脂性肌と乾燥肌が混合している場合もあります。普通肌のところでも言いましたが、水分量と油分量は別で判断しなければいけません。水分量が少なく乾燥しているうえに、油分量が多く脂性肌になっているというややこしい肌質の可能性もあることを知っておきましょう。
乾燥肌のためのスキンケア
肌質の基本をおさらいしたところで、乾燥肌の人はどのようなスキンケアをすれば良いのか見ていきましょう。
乾燥肌の場合、朝の洗顔はぬるま湯だけにしておきましょう。ぬるま湯でも十分、汚れや余分な皮脂を落とすことができます。皮脂の少ない朝に洗顔料を使ってしまうと、必要な皮脂まで洗い流し、余計に乾燥を進行させてしまうこともあります。
乾燥肌の場合、皮膚が薄くなって刺激に弱くなっている可能性があります。さらに肌のバリア機能と呼ばれる皮脂が少ないと、少しの刺激でも肌へのダメージとなってしまうことがあります。できれば無添加のものや、天然の植物由来成分で配合されているものを選びましょう。
化粧水や美容液を選ぶ際は、できるだけ保湿成分が含まれているタイプを選ぶようにしましょう。有名な成分としては、ヒアルロン酸・コラーゲン・セラミド・エラスチンなどです。
これらの成分はもともと肌の真皮層に存在する保湿成分なので、これを美容液などで補充してあげることが大切です。ただし、これらの成分はなかなか真皮層にまで到達することが難しいので、あまり期待しすぎるのも良くありません。もちろんないよりはマシなので、乾燥肌であれば積極的に選んでいきましょう。
スキンケアとは少しずれてしまいますが、日々の生活習慣も肌質改善には大きく関係しています。例えば、睡眠はお肌のターンオーバーを促す成長ホルモンの分泌と深いつながりがあります。睡眠のリズムを整えることでターンオーバーを促し、健康的な肌を作りましょう。
乾燥肌の人は、毎日の食事にも気を使うべきです。お肌の細胞の元となっているたんぱく質、そしてお肌の生成をサポートするビタミンやミネラルも大切です。無理なダイエットや偏食をしている人は、まずはそこから見直してみましょう。
もちろん運動習慣も大切です。軽い運動は毛穴のつまりを解消し、肌呼吸を改善します。皮脂の分泌量も正常に戻るので、乾燥肌も改善される可能性があります。またタバコやお酒はお肌に良くありませんので、できるだけ控えるようにしましょう。
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さいごに
基礎化粧品の基本と、乾燥肌のスキンケア対策について見てきましたが、いかがでしたか?もし自分が乾燥肌だと気づいたら、できるだけ早い対策を心がけましょう。
肌質は数日で改善されるものではありません。場合によっては数ヶ月〜数年かかってしまうこともあるでしょう。
しかし正しいスキンケアを心がけていれば、少しずつ改善されていくのが実感できるはずです。諦めず、根気強くスキンケアに取り組んでいきましょう。