注目のタンパク質ダイエットの効果とその方法
近年、その効果がすごい!と注目を集めている「タンパク質ダイエット」。タンパク質と言えば、お肉や魚がすぐに思いつくかと思いますが、実は他にもいろいろな食材に含まれている栄養素です。
一昔前までは、お肉と言えばカロリーが高く、ダイエットには不向きとされていました。しかし近年の研究では、お肉に含まれるカロリーでは太らないとされており、タンパク質ダイエットの効果が見直されてきたのです。
ではどうしてお肉を食べても太らないのか、タンパク質ダイエットの効果とその方法をご紹介していきたいと思います。
なぜタンパク質がダイエットに効果的なのか?
タンパク質ダイエットとは、タンパク質を多く含む食材を軸に食事をするだけで、簡単痩せることができるという不思議なダイエット法です。
今まではお肉の食べ過ぎは太ると言われていたのに、どうして今タンパク質ダイエットが効果的だと言われるようになったのでしょうか。
太る原因はカロリーではなかった
「お肉の食べ過ぎは太る」と言われていた時代は、ダイエットの考え方がそもそも今と違っていました。それは、「カロリーの摂りすぎが太る原因」だと考えられていたことです。
たしかにお肉にはたくさんのカロリーが含まれており、食べ過ぎるとカロリーオーバーになりやすい食材です。しかし近年になって、太る原因はカロリーの摂りすぎではなかったという研究データが集まってきたのです。
肥満の根源は「糖質」だった
太る原因がカロリーでなかったとしたら、一体何が原因なのでしょうか。それも答えが出ており、実は「糖質」が原因だということがわかっています。糖質を摂ると血糖値が上がり、インスリンと呼ばれるホルモンが分泌され、そのインスリンが脂肪を蓄えるというメカニズムが判明しているのです。
糖質と言っても、甘い食べ物ばかりではありません。ご飯やパン、パスタなどの炭水化物は、すべて糖質が多い食材です。つまり、お肉や魚などをたくさん食べても太ることはなく、パスタなどの糖質をたくさん含んだ食材を食べることで太ってしまうということです。
カロリーを減らすのは危険
今までのダイエット法では、カロリーを減らすことばかりに目を向けられてきました。しかしカロリーは、私たちが生きていくうえで絶対に欠かせないものです。
そもそもカロリーとは、生物が生命活動をするために消費するエネルギー(熱量)のことです。糖質、タンパク質、脂質にカロリーが含まれており、ビタミン、ミネラル、食物繊維には含まれていません。
このカロリーが不足してしまうと、健康に大きな被害が出てしまいます。ダイエット中気分が悪くなったり、フラフラしたり、集中力がなくなってしまったりというのは、このカロリー不足が原因であることがほとんどなのです。
カロリーはタンパク質で補う
そこに目をつけて考え出されたのが、タンパク質ダイエットです。糖質はNG、でもカロリーは必要。それならタンパク質でカロリーを摂ればいいのでは?というのがはじまりです。
タンパク質は人の体を構成する大切な栄養成分です。髪の毛から足のつま先まで、すべての細胞がタンパク質で構成されています。カロリー摂取を考えた時、糖質でカロリーを補充してしまうと太ってしまいますが、体に必要なタンパク質でカロリー摂取をすることで、健康的な肉体を手にすることができるのです。
脂質も必要なカロリー源
カロリーが含まれている栄養素は「糖質」「タンパク質」「脂質」の3種類だと言いました。ダイエットにおいて糖質はNGで、タンパク質はOKというお話もしました。では、脂質はどうでしょう?
実は脂質は糖質やタンパク質よりもカロリー量が多い栄養素です。カロリー摂取をするうえで、脂質から必要量を摂ってしまっても問題はないのです。ただやはりタンパク質は体のために必要な栄養素(構成素)なので、どちらにしろ健康的な食生活を送るにはタンパク質の摂取は欠かせないのです。
しかし脂質の中には「必須脂肪酸」という、人の体内では作ることができない成分があります。いくらタンパク質が重要だと言っても、脂質もある程度は摂る必要があるということを忘れてはいけません。(糖質は必須栄養素ではありません)
ダイエットにタンパク質が必要な理由
人が生きていくうえで、必要になる栄養素があります。それが「炭水化物(糖質+食物繊維)」「タンパク質」「脂質」の三大栄養素、それに「ビタミン」「ミネラル」をくわえた五大栄養素です。
その中でも特に重要な役割を担うタンパク質は、一体どのような働きをするのでしょうか。なぜダイエットにタンパク質が必要なのか、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
タンパク質は人の細胞を構成する
タンパク質は、栄養素の中でも「構成素」と呼ばれる役割に分類されています。構成素とは「体を構成する成分になる栄養素」という意味で、「タンパク質」「脂質」「ミネラル」がこれに該当します。
この中でも特にタンパク質は重要な役割を担っており、人の皮膚、筋肉、そして内臓まで、すべての細胞の元となる栄養素なのです。
例えば、髪の毛を構成するケラチンと呼ばれる物質も、タンパク質であるアミノ酸から生成されています。もしこの重要なタンパク質が不足したらと考えると、とてもおそろしいことですよね。
タンパク質の摂取は免疫力も向上させる
あまり知られていませんが、免疫細胞もタンパク質から構成されています。免疫とは、体を守る働きのことです。体の外からウィルスなどが侵入してくると、それを破壊する働きをする物質です。
タンパク質が不足すると、もちろん免疫細胞も不足します。するとウィルスの侵入を防げず、簡単に病気になってしまうことがあります。もちろん体には筋肉などの貯蔵タンパク質があるので、タンパク質が不足するとすぐに病気になるわけではありません。しかしそれでも大事な栄養素であることに変わりはないでしょう。
体内で活躍する酵素もタンパク質が原料
体内では常に、さまざまな化学反応が起こっています。その反応を補助しているのが、「酵素」と呼ばれる物質です。これはダイエットにも大きく関係しており、食べ物の消化や吸収、代謝、分解から再構成、そして排泄にいたるまでの、ありとあらゆる過程に関係しています。
酵素に関してはその種類や働きが膨大で、「酵素学」と呼ばれるひとつの大きな学問となっています。今では当たり前になっていますが、この酵素の実体がタンパク質であると知られるようになったのは、ほんの数十年前の話。
それ以来、さらにタンパク質の重要性が見直されてきており、タンパク質ダイエットもそこから生まれたものだと言われています。
成長ホルモンを支えるタンパク質
体のさまざまな調節機能を担っている「ホルモン」は、タンパク質から構成される「タンパク質ホルモン」と、コレステロールなどから構成される「ステロイドホルモン」に分類されます。
血糖をコントロールする「インスリン」、そしてターンオーバー(代謝)や筋肉の成長をコントロールする「成長ホルモン」は、どちらもタンパク質ホルモンです。
ダイエットをするうえで、この2種類のホルモンが正常に機能していることはとても大切なことです。そのためにも、ダイエット中は特に、タンパク質をしっかりと摂取する必要があるのです。
タンパク質ダイエットの方法
タンパク質ダイエットは、タンパク質が豊富な食材をしっかり食べていくダイエット法です。実際にどのような方法で行うのか、詳しく見ていきたいと思います。
タンパク質が豊富な食材をメインに食事をする
まずは、タンパク質が豊富な食材を毎日しっかり食べることが一番のポイント。焼き魚や肉料理、卵料理、納豆やみそ汁などの大豆食品、牛乳やチーズなどの乳製品が主食になります。特にお魚とお肉は腹持ちも良いので、毎日のメインディッシュにしても良いでしょう。
例えば、朝は卵料理や焼き魚、納豆や豆腐。お昼はチキンステーキや焼き魚定食、納豆定食でご飯は少なめ。夜もご飯は少なめにして、牛肉、豚肉、鶏肉などのお肉、マグロやカツオなどのお魚をメインに献立を考えます。
糖質が多いご飯系は控えめに
タンパク質食材をメインに食事をすることで、自然と白ご飯やパスタなど、糖質の量は少なくなるはずです。そうでなくても、なるべく減らすように意識しましょう。
朝は糖質を抜きやすいので、完全に抜いてしまっても良いでしょう。白ご飯やパンの代わりに、目玉焼き、納豆、ウィンナー、サラダなどをしっかり食べておきます。お昼はどうしても糖質に頼りがちになるので、無理して減らさなくても問題ありません。(減らせるなら減らしましょう)
夕食で食べる白ご飯は、今までの半分の量を意識しましょう。例えば、毎日ご飯2杯を食べていたなら、1杯にする。毎日1杯なら、それを半分にしましょう。もちろんおかず(タンパク質)の量を増やしますので、お腹は満たされるはずです。
うどんやそば、パスタなどは、それ自体がメインディッシュになってしまい、タンパク質を十分摂ることができませんし、糖質の摂りすぎにもなります。たまに(週1程度)なら良いかもしれませんが、タンパク質ダイエット中はなるべく避けるようにしたほうが良いでしょう。
ビタミン、ミネラル、食物繊維を意識して摂る
長い目で見てダイエットを成功させるには、健康的な食生活が欠かせません。糖質を減らしてタンパク質を増やすという食事法は、ダイエットには最適ですが、それだけでは健康的とは言えませんよね。やはりそれ以外の「ビタミン」や「ミネラル」「食物繊維」の摂取も欠かせないものとなります。
タンパク質ダイエット中特に不足しやすいのは、食物繊維です。タンパク質には、お肉や魚に含まれている「動物性タンパク質」と、納豆などの豆類に含まれる「植物性タンパク質」の2種類があります。
植物性タンパク質が豊富な食材には食物繊維が含まれていることが多いのですが、動物性タンパク質の食材には食物繊維が含まれていません。食物繊維(炭水化物)は「植物の光合成によって生まれる物質」なので、牛肉や豚肉など動物のお肉には一切含まれていないのです。
成人であれば1日20g程度の食物繊維が必要なのですが、どうしても不足するようであればサプリメントの利用も視野に入れておくと良いでしょう。サプリメントで摂る場合、人によっては合わないこともある(お腹を壊したりします)ので、飲み過ぎに注意し、自分に合った量を摂るようにしましょう。
運動も取り入れるとさらに効果的
タンパク質ダイエットの基本は、食事改革です。食事の内容を変えるだけで、しっかりと痩せることができるダイエット法です。しかし、それにくわえて運動も行うと、さらに効果を高めることができます。
このダイエット法の魅力は、筋肉を構成するタンパク質をしっかりと摂ることです。筋力トレーニングやエクササイズを取り入れることで、引き締まった体を手にいれることや、バルクアップ(筋肉肥大)も効率よくできてしまうのです。
特に筋肉の肥大は、基礎代謝の向上につながります。代謝が上がると痩せやすい体になり、ダイエットの効果をさらに高めてくれることでしょう。タンパク質ダイエットと運動は、とても相性が良いのです。
タンパク質ダイエットの注意点
タンパク質ダイエットは簡単なダイエット法ですが、いくつか守ってほしい注意点があります。注意点と言っても難しいことではないので、頭の隅に入れておきましょう。
急に糖質を減らさない
「今日からタンパク質ダイエットを始めるぞ!」と意気込むのは大変良いことなのですが、食事内容を急に切り替えてしまうのは少し危険です。急に切り替えてしまうと体がその変化に対応できず、体調を崩してしまう可能性があります。
糖質は糖新生と呼ばれる機能により、タンパク質や脂質から体内で生成することができます。つまり、可能であれば糖質は完全に抜いてしまっても問題はありません。しかしダイエット初日から完全に抜いてしまうと、タンパク質からうまくエネルギー補給できず、脳や体がエネルギー不足に陥ってしまう可能性があるのです。
やはりどんなダイエット法でも、体を慣らしながら少しずつ切り替えていくほうが健康的だということです。
ダイエットに成功しても急にやめないこと
反対に、ダイエットに成功したあと、急に元の食生活に戻すのも危険です。それまで糖質を控え、タンパク質メインの食生活をしていると、体がそれに慣れてしまっています。そこで急激に糖質の摂取量を増やしてしまうと、血糖値が急上昇してリバウンドしてしまったり、体を壊してしまったりする可能性があります。
ダイエットのはじめと終わりには、十分注意する必要があるということを頭に入れておきましょう。
おやつは低糖質のものを選ぼう
食事と食事のあいだ、お腹がすくことってありませんか?毎日15時におやつとして、お菓子を食べている人も多いのではないでしょうか。そんなとき、タンパク質ダイエットをしていると、何を食べればいいのか困ってしまうかと思います。
さすがにおやつに鶏肉や魚を食べるわけにはいきませんし(もちろん食べてもいいです)、ましてや納豆や豆腐などもおやつにはなりませんよね。そんなときは、チーズやナッツなど、なるべく糖質の低いものを選ぶようにしましょう。
特にチーズはタンパク質も豊富で、ビタミン以外の栄養素がバランスよく含まれた優れた食材です。他にも、食物繊維の粉を使って作られた低糖質のお菓子や、「ブラン」と呼ばれる原料を使った低糖質のパンなども販売されています。
おやつを食べるのは問題ありませんが、糖質が多いケーキや和菓子などはできるだけ避けるようにしましょう。
調理法で糖質が多くならないように注意する
栄養に注意しなければいけないのは、お肉や魚などのメインとなる食材だけではありません。塩や砂糖、お醤油などの調味料、そして調理の補助として使用する小麦粉などの補助食材にも栄養は含まれています。
砂糖はほぼ100%が糖質なので、使った分だけ糖質を摂ることになります。みりんやお酢にも糖質が含まれていますので、摂りすぎには注意しなければいけません。一番やっかいなのは、小麦粉や片栗粉です。これらも糖質が多く、鶏のから揚げやあんかけなど、これらの食材を使う料理はできるだけ避けたほうが無難です。
さいごに
タンパク質ダイエットは、とても健康的な食事法です。「痩せたい」という想いだけでなく、「鍛えたい」「体を引き締めたい」という想いにもしっかり応えることができるのです。
さらにダイエットが終わったあとも、ずっと継続できる食事法です。何年継続したとしても、痩せすぎるということはありません。
世界的にも、糖質が体に悪影響を及ぼすという認識が徐々に広まりつつあります。その先駆けとして、まずはこの食事法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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