ガサガサしたサメ肌の治し方!しっとり潤い肌になる方法
「最近、なんだか肌がガサガサ」もしくは「肌のブツブツが気になる」そんなお悩みをお持ちの方。そのガサガサの正体、もしかしたらサメ肌かもしれません。
耳にしたことはあっても、よく知られていないサメ肌。サメ肌とは、いったいどんな症状なのでしょうか?また、原因や治療法は?そんな疑問についてご紹介していきたいと思います。
このページの目次を
サメ肌とは
サメ肌とは、何らかの原因でターンオーバーに異常がおき、角質が毛穴にたまったものです。
皆さんがよく目にする「二の腕のブツブツ」といえばピンとくる方も多いのではないでしょうか。実は、これもサメ肌なのです。この他にも、サメ肌は、脚、肩、胸の側面、お尻、臀部で多く発症します。
通常、肌は28日を周期(10代は20日、20代は28日、30代は40日、40代は55日と年齢により変わります)に生まれ変わります。これをターンオーバーといいます。
正常なターンオーバーが行われていると、肌は生まれ変わるとともに、肌の表面に上がっていき、角質となって紫外線や汚れから肌内部を保護したのち、最終的に垢となって自然にはがれおちます。
しかし、このターンオーバーが早くなると、未熟な肌細胞が肌表面にあがってきてしまい、バリア機能が弱くなってしまいます。未熟な肌細胞は、古い角質はがすために必要なセラミドも不十分です。
そのため、角質がはがれずたまってしまい、結果的にターンオーバーが遅くなってしまいます。
また、肌細胞は未熟なため水分を十分に保つ力がなく、肌は乾燥してガサガサになります。
サメ肌の症状には、以下のようなものがあります。
・肌が堅くなる
・栗状の赤い発疹ができる
・常に鳥肌がたったような状態になる
・毛穴が大きく隆起する
・白い粉をふく
サメ肌は、秋から冬の乾燥する季節にひどくなるため、ただの乾燥と間違えられることも多くあります。また、その見た目からニキビと勘違いされることもあります。
多くは10代から20代にかけて発症しますが、体に害はないため、放置しても30代になると自然に治っていきます。
まれに、かゆみを伴うこともありますが、多くの場合は痛みやかゆみが出ることはありません。
サメ肌になる原因
サメ肌の原因は、これまでビタミンAの不足など多くの見解がなされてきましたが、現在では遺伝子の変異がサメ肌の発症に関わっているということが分かっています。統計でも、家族でサメ肌の方がいた場合、子供に遺伝する確立が高いことが分かっています。
しかし、この他の原因は現時点では不明な部分も多く、全ての解明にはいたっていません。
遺伝子の変異は、アトピー性皮膚炎や尋常性魚鱗癬(じんじょうせいぎょりんせん→角質が硬くなる先天性の疾患)にも大きく関わっており、サメ肌の方は、これら発症することもあります。
サメ肌を解消する方法
痛みやかゆみはなく、健康的な被害もないため、あまり重症でなければ放置しても問題ありません。
しかし、ブツブツは目立ちますし、女性の方や自分のお子様に発症がみられた場合、なんとか治したいと思ってしまいますよね。
さきほども言いましたように、サメ肌の原因は遺伝ですから、これは、どうする事もできません。しかし、サメ肌の症状をみてみると、そこからサメ肌を解消する方法が見えてきます。
サメ肌は、ターンオーバーに異常がおき、古い角質が毛穴にたまり毛穴が隆起したものです。ですから、ターンオーバーを正常に保ち、肌を保湿することで解消につながります。
では、サメ肌の解消法をひとつずつ見ていきましょう。
1.ターンオーバー
ターンオーバーを正常にするには、普段の生活が重要です。禁煙をこころがけ、睡眠は1日に6時間以上はとりましょう。
睡眠とは、ベッドにいる時間ではなく寝ている時間のことです。ベッドに入ってもすぐに眠れないという方は、早めにベッドに入って6時間は睡眠をとりましょう。
ストレスを感じている方は、ストレス解消を心がけてください。運動(有酸素運動がストレス発散にはオススメ)や、カラオケ、ヒーリング効果のある音楽などで上手にストレス解消しましょう。
紫外線もターンオーバーを乱す原因。紫外線対策はしっかり行ってください。
2.保湿
まずは、保湿をこまめに行いましょう。この際、肌は非常にデリケートな状態になっているため、刺激の少ない保湿剤を使ってください。自宅で治療する場合はビタミンCの入った化粧品もオススメです。
他にも、セラミドは乾燥した肌を保湿してくれる上に、肌のバリア機能を修復する働きももっていますのでサメ肌に最適。
また、尿素入りの軟膏は高い保湿効果をもち乾燥を抑えてくれます。
3.化粧品を選ぶ際の注意点
無添加のものは、防腐剤や鉱物油などが含まれていない低刺激の化粧品です。
そのため、それだけで安心してしまいがちですが、防腐剤が入っていないため腐りやすいので注意が必要。使用期限は守りましょう。
・自然化粧品を選ぶ際は、成分をしっかりと見極めましょう。せっかくの自然化粧品も成分が薄くては効果は見込めません。
・化粧品の保管は、冷蔵庫が最適です。冷蔵庫が難しいという場合も、日の当らない、温度の低い場所で保管してください。
4.入浴
日本茶風呂は、殺菌作用によりアレルギーに効果を発揮します。それだけではなく、茶葉にはアトピーを悪化させるといわれる塩素を除去する力もあります。また、保湿効果も高く、乾燥も改善されます。
日本茶風呂の方法は、お風呂に市販のティーパックを2個いれるだけです。お手軽ですね。
ただし、長湯は禁物。長湯は、肌の油分も体の外に出してしまい乾燥を進行させます。
患部を洗う際は、泡で優しく洗いましょう。この際、石鹸の使用を控える日を作るのもオススメです。
石鹸は、肌の汚れとともに肌に必要な成分も流してしまいます。匂いや汚れの気になる部分以外はお湯で洗うだけで十分です。特に、冬場は汗の心配もありませんので試してみてはいかがでしょうか?
お風呂上りは、患部をこすらず優しくたたうように拭きとり、保湿剤をたっぷり塗りましょう。
5.食事
ターンオーバーを正常にする、ビタミンA・B・C・E、亜鉛、セラミドをとりましょう。
また、ビタミンAは肌荒れで悩んでいる方の強い味方です。しみ、しわを防ぎ、肌の潤いを守り、肌の新陳代謝をうながす効果もあります。
ストレスがたまって肌の調子が悪いと感じる時にも、ぜひお試しください。ただし、お肌にいいからといって摂取しすぎると下痢などの副作用がでてしまいますので注意しましょう。
ビタミンA摂取量目安(1日/:μgRAE)
男性
・15歳~17歳 900
・18歳~29歳 850
・30歳~49歳 900
女性
・15歳~17歳 650
・18歳~29歳 650
・30歳~49歳 700
※1μgRAEは1gの100万分の1
参照元:「日本人の食事摂取基準」http://www.glico.co.jp/navi/e07-2.html
6.睡眠
肌を作る22時から2時の間は大事な時間です。この時間に他の活動に労力を使ってしまうと、肌の生成に充分な力が発揮できません。
この時間は出来るかぎり睡眠をとりましょう。
7.摩擦
サメ肌の患部は刺激に弱くなっている状態です。摩擦による刺激で肌に負担をかけないようにしましょう。
サメ肌の治療例
サメ肌が軽度の場合は自宅での治療も可能ですが、重度になると専門家の力が必要です。
この場合、病院で施される治療は以下のものです。
1.外用薬の処方
もっとも一般的な治療法です。堅くなった角質をやわらかくして、肌に潤いを与える塗り薬を塗布し改善を促します。
サメ肌の外用薬として処方される外用薬は、
・ウレパールクリーム10%(皮膚軟化剤。主成分は尿素)
・ケラチナミンコーワクリーム20%(皮膚軟化剤。主成分は尿素)
・サルチル酸ワセリン軟膏(寄生性皮ふ疾患用剤。主成分はサルチル酸と白色ワセリン)
・アンテベート軟膏(ステロイド。強めのステロイドになるので塗りすぎに注意しましょう)
他にも、ヒルドイドやバスタロンクリームなどがあります。
2.ケミカルピーリング
主に美容皮膚科で施される治療法です。酸などの薬を患部に塗布して、古い肌を取り除き、新しい肌の再生を促します。
保険の適用がありません。費用は範囲によりますが、小さければ1回5,000円前後かかります。この治療を改善するまで続けます。
市販のケミカルピーリングも販売されていますが、肌の機能が弱くなっている状態なので、あまりオススメできません。
どうしても気になるという方は、かかりつけの医師に相談することをオススメします。
3.レーザー治療
レーザー光線を患部にあて角質を取り除き、潤いを取り戻す治療法です。こちらも保険がききません。完治まで継続が必要です。
範囲によりますが、価格は1回30,000円前後。
4.ダーマローラー治療
美容皮膚科での治療法です。皮膚の活性薬剤とともに小さなハリがついたローラーを患部に転がし、患部に小さな穴をあけ、人が本来持つ治癒能力を使って肌の再生をうながします。
ニキビ跡の治療法にも使われます。完治まで継続が必要になります。
関係性の深い疾患
サメ肌には、症状が似たものや、同時期に発症しやすい関係性の疾患があります。これらの疾患について、ご紹介します。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とサメ肌の症状は非常によくにています。ともに、乾燥による肌のカサカサや、鳥肌のような状態、湿疹、白い粉がふくといった症状があり、見た目での判断は困難です。
また、アトピー性皮膚炎は、アレルゲンによって炎症をおこすと強いかゆみが出ますが、炎症を起こす前のアトピー肌の段階ではかゆみはありません。
そのため、かゆみの有無による判断も難しでしょう。
サメ肌とアトピー性皮膚炎の違いは、アレルギー体質であるか?という点です。アトピーは、アレルギー体質(アトピー体質)の遺伝的要因と環境的要因が重なって発症します。
家族や自分自身にアレルギーのある方は、アトピーである可能性があります。また、ぜんそくや気管支炎、花粉症、じんましんを経験したことのある方は、アトピー体質かもしれません。
思い当たる方は、専門医の意見を仰いで適切な処置を行うことをオススメします。
また、アトピー性皮膚炎とサメ肌は同時期に発症するケースも多くみられます。
魚鱗癬(ぎょりんせん)
先天性の疾患で、角質がかたくなり魚のうろこのように堅くなります。生後2カ月以降に症状が現れ、成人になるとともに軽くなる場合もあります。
重症になると、汗がでにくいため夏は体温調整が難しく、冬は極度の乾燥により歩行が困難になることもあります。
小児慢性特定疾患に認定されているため、20歳まで医療費助成を受けられます。
アトピー性皮膚炎やサメ肌がともに発生することが多くみられます。
まとめ
今回は、サメ肌についてご紹介しました。サメ肌は、ターンオーバーに異常がおき、古い角質が毛穴にたまり毛穴が隆起したもので、アトピー性皮膚炎や魚鱗癬と深い関係があります。
解消するには、
・保湿(セラミド、尿素、ビタミンC)
・生活習慣の改善(ビタミン摂取、入浴、睡眠)
・適切な化粧品選び
・摩擦での刺激を減らす
が、必要という事が分かりました。
また、医療機関での治療法は、古い角質を取り除き肌の再生をうながすというもので、
・ケミカルピーリング
・レーザー治療
・ダーマローラ治療
の4種類でした。
サメ肌には、保湿とターンオーバーの正常化による肌の再生がなにより大事です。生活習慣に気をつけ、1日でも早くサメ肌を解消していただけますと幸いです。