女性に増えている薄毛と育毛に効果的な対策は?
男性だけの悩みだと思われがちですが、実は女性でも多くの方が悩んでいる薄毛。
男性とは違う原因であることがほとんどで、自分で診断しづらいのが特徴です。
薄毛になっていても長い髪の毛のせいで気づかないこともあり、「いつのまにか薄くなっていた」なんてことも。
女性薄毛の原因は多岐にわたりますが、ひとつずつ詳しく解説していきたいと思います。またどうすれば改善できるのか、育毛対策や育毛におすすめの食材を確認していきましょう。
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女性の薄毛の特徴
女性の薄毛には、男性の薄毛とは違った特徴があります。まずは男性の薄毛の特徴、そしてそれと比較する形で女性の薄毛の特徴を見ていきましょう。
・男性の薄毛の特徴
男性に多い薄毛はご存知の通り、部分的に薄くなっているのが最大の特徴です。中でも一番有名なのは、頭頂部だけが薄くなる、いわゆる「てっぺんハゲ」と呼ばれるものです。
他にも髪の生え際が後退してくる「M字ハゲ」や「おでこハゲ」など、人によって薄毛の形が違います。これは、男性ホルモンと結びつくことでDHT(脱毛物質)に変化させる「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が、頭頂部や生え際に多く存在するからだと言われています。
・女性の薄毛の特徴
部分的な薄毛が多い男性に対して、女性の場合は「全体的に薄くなる症状」が特徴です。男性ホルモンが少ない女性は、そもそもてっぺんハゲやM字ハゲにはなりにくい体質なのです。
しかし生活習慣の乱れやストレスなどの原因によって頭皮環境が悪化し、薄毛になってしまうことがあります。この場合頭皮全体に影響が出るため、部分的な薄毛ではなく、全体的な薄毛になります。
もちろん女性の体内でも男性ホルモンは生成されているので、人によっては部分ハゲになってしまうこともあります。それは「女性男性型脱毛症」と呼ばれ、女性に多い薄毛とはまた原因が大きく異なります。
女性の薄毛の原因
男性には男性の、女性には女性の薄毛の原因があります。男性と違いその原因は多岐にわたりますので、簡単には診断できません。ただその原因を知っているか知らないかで、自分の頭皮に対する接し方が変わってくるはずです。育毛対策にもつながりますので、しっかりと確認しておきましょう。
・紫外線などの外部刺激
薄毛の原因は大きくわけて2種類。ひとつめは、生活習慣の乱れやホルモンバランスの変化から起こる「内的要因」による薄毛。そしてもうひとつが、紫外線やシャンプーなど頭皮へのダメージ(刺激)によって起こる「外的要因」による薄毛です。
特に私たちの肌に有害な紫外線は、頭皮に対して直接ダメージを与えます。目に見えない紫外線は対策が難しく、気付かないうちに地肌の衰えの原因になっていることがほとんどです。
さらに女性で多いのは、肌に合わないシャンプーです。肌への刺激となる添加物がたくさん入っていたり、洗浄力の強すぎるシャンプーが原因で、地肌に負担がかかってしまうことがあります。
他にもシャンプーのしすぎ(爪でこするのもNG)や、帽子の蒸れ、整髪料の付着、ヘアカラーやパーマなども薄毛の原因となることがあります。
・ヘアケア不足
上述した頭皮の刺激は、ある程度は仕方のないことです。普通に生活をしていれば、刺激の受けやすい場所にある頭皮はダメージを蓄積していきます。そこで重要なのが、毎日のヘアケアです。ヘアケアは髪の毛だけでなく、地肌の保護も含まれています。
ヘアケアが不足していると、地肌の荒れ、乾燥や血行不良など、頭皮環境が悪化します。すると髪の毛が健康的に成長しなくなり、抜け毛が増え、薄毛になってしまいます。
ヘアケアで大切なのは、シャンプーとその後のケアです。特に髪の毛の自然乾燥は、雑菌繁殖の原因となります。雑菌の繁殖は肌荒れやニキビにつながりますので、ドライヤーも大切なヘアケアの一環だということを忘れてはいけません。
・ストレス
ストレスは万病の元と言いますが、薄毛の原因にもなります。精神的なストレスを受けると、人は脳にダメージを受けます。特に強いストレスは、ホルモン分泌の命令や自律神経の調整をつかさどる「脳の視床下部」に影響を与え、体のいたるところで悪い症状を発現させます。薄毛もそのうちのひとつで、ストレスから来る薄毛は女性に多い症状なのです。
・睡眠不足
睡眠不足も、薄毛に大きな影響を及ぼす原因となります。その理由は二つあって、一つは睡眠不足による自律神経の乱れ。もう一つは、成長ホルモン分泌の減少です。先ほども簡単に説明しましたが、自律神経が乱れると体のいろんな場所で悪い症状が現れます。薄毛もそのうちのひとつで、多くの女性が悩まされています。
成長ホルモンに関して、「寝る子は育つ」という有名なことわざを聞いたことがあるのではないでしょうか。これは本当の話で、体を成長させる「成長ホルモン」の分泌は、睡眠中に最大になるということが研究でわかっています。髪の毛の成長も例外ではなく、健康的に髪を育てるには、質の高い睡眠をとり、成長ホルモンをしっかりと分泌させる必要があるのです。
・食生活の乱れ
髪の毛の成長も、体の成長と同じように十分な栄養が必要です。栄養が過不足していると髪の毛の成長に悪影響を及ぼします。必要な栄養素が足りない場合だけでなく、不要な栄養を摂りすぎていてもよくありません。
特に、脂質が多いスナック菓子やジャンクフードを頻繁に食べていると、皮脂の分泌が多くなります。皮脂は肌を保護する働きがありますが、少なくても多すぎても肌トラブルの原因となります。
皮脂の分泌が多い場合、それが毛穴に詰まることでニキビが発生します。髪の毛の成長にも支障をきたしますので、食生活の乱れには十分気を付けましょう。
・加齢
女性の多くは、加齢によって薄毛が進行しています。加齢が進行すると、頭皮細胞の衰え、女性ホルモンの減少、血行不良による栄養不足、成長ホルモン不足、更年期障害(自律神経の乱れ)など、薄毛になる原因がたくさん出てきます。
これらは仕方のないことですが、ある程度は予防することが可能です。それらはどのように対策すればいいのか、抜け毛や薄毛対策について次の章で詳しく見ていきましょう。
女性がやるべき抜け毛対策
女性の薄毛はいろいろな原因が複雑に絡み合っているので、対策方法も多岐にわたります。その反面、対策をすれば改善される可能性が高いのも特徴です。男性の薄毛の場合はほとんどが「男性ホルモン」のしわざですが、改善が難しいとされています。
女性の薄毛は、男性の薄毛と違い改善の可能性が高いので、あきらめずに取り組んでみましょう。しかも薄毛対策は健康維持にも役立ちますので、やってムダなことは何一つありません。たくさん紹介しますが、自分にできることから始めてみましょう。
・紫外線対策
紫外線は肌に有害な物質なので、できるだけ避けるようにしましょう。外に出るときはなるべく直射日光を避けるようにし、帽子や日傘などを利用してください。
頭皮は顔などと違い日焼け止めクリームは濡れませんし、紫外線に当たりやすい場所でもあります。紫外線にあたるとすぐに症状が出るということはありませんが、少しずつ蓄積されていくので、日ごろから気を付けておきましょう。
・シャンプー
肌に合わないシャンプーは、地肌を痛める原因となります。添加物などに気を付けて選び、合わないようならすぐに違うシャンプーに変えてみましょう。生活習慣をすぐに変えることは難しいですが、シャンプーを変えるぐらいならすぐに取り掛かれるのではないでしょうか。
シャンプーのやり方もポイントです。肌を傷つけないように、なるべく優しく、爪を立てないように心がけましょう。泡が残らないように、たっぷりのお湯でしっかり洗い流すことも大切です。
・ドライヤー
抜け毛対策のヘアケアとして、ドライヤーも大事なポイントです。そもそも髪の毛は、自然乾燥が一番良くありません。雑菌が繁殖し、ニキビや乾燥の原因となります。
ドライヤーは、温風で8割程度乾かし、最後に冷風で乾かすとキレイに仕上げることができます。温風で乾かすのを8割程度にすることで乾かし過ぎを防ぎ、最後の仕上げに冷風で髪のキューティクルを整えます。頭皮に良いだけでなく、髪も乾燥せずキレイにまとまるのでオススメです。
・睡眠の質を高める
健康的な髪の毛を成長させるためには「成長ホルモン」の分泌が必要です。そして、成長ホルモンの分泌を高める重要なポイントが「質の高い睡眠」です。ある程度まとまった時間しっかりと深い睡眠をとることで、成長ホルモンがたくさん分泌します。
質の高い睡眠をとるためには、睡眠前の行動が重要です。なるべく体をあたためて心を落ち着かせ、寝る直前にパソコンやスマホなどの明るい画面は見ないようにしましょう。寝る1時間ほど前から部屋を少し暗くしておくのも良いでしょう。
・食生活の改善
健康的な頭皮の維持、そして髪の毛の成長には十分な栄養が必要です。栄養バランスの整った食事を意識し、油ものやジャンクフードの食べ過ぎに注意しましょう。中でも特に重要な栄養素は、「タンパク質」「ビタミン」「亜鉛」の3種類です。
タンパク質はすべての栄養素の中で最も重要で、体のあらゆる組織を構成します。さらに体を動かすためのエネルギーにもなりますので、積極的に摂るようにしましょう。
髪の毛はケラチンと呼ばれる物質で構成されていますが、ケラチンを生成するためにタンパク質と亜鉛が必要となります。そして、その合成をサポートするのが「ビタミン」です。栄養バランスの取れた食事、そしてこの3種類の栄養素を重点的にとるように心がけましょう。
育毛によい食材
栄養バランスの取れた食事は育毛の基本ですが、特に育毛に良い食材というものがあります。これを意識して食べるだけでも、頭皮環境の改善や育毛が期待できるでしょう。
・大豆製品
大豆製品とは、納豆、豆腐、味噌など大豆を使った食品です。大豆には上質な植物性タンパク質と食物繊維が含まれており、美容や健康に優れた効果を発揮します。さらに大豆には「大豆イソフラボン」と呼ばれる物質が含まれており、これが育毛に素晴らしい効果があるとされているのです。
イソフラボンは、実は女性ホルモンである「エストロゲン」とほぼ同じ化学構造を持つ物質です。そのため女性ホルモンと似た働きをし、育毛の効果があるとされています。
・肉類、魚類、卵、乳製品
たくさん種類を挙げましたが、これらに共通するのは、豊富なタンパク質を含んでいるということ。頭皮も髪の毛も、すべてタンパク質から生成されていいます。
タンパク質が不足すると頭皮は衰え、髪の毛の成長も止まってしまいます。育毛のために、まずは何よりもタンパク質の摂取を意識してみてください。
・緑黄色野菜
体内の化学変化を助ける働きをするのが、「ビタミン」です。タンパク質だけ摂取していても細胞は生成されず、その生成をサポートするビタミンが必要となります。とりわけ緑黄色野菜は、ビタミンを多く含んでいます。
ビタミンをたくさん含んだ緑黄色野菜には、アスパラガス、オクラ、ピーマン、ブロッコリーなどがあります。ビタミンは加熱処理に弱いため、サラダなどにして食べるのが効果的です。
・鶏肉、豚肉、レバー、チーズ
これらの食材に共通する重要な栄養素は、ミネラルの一種「亜鉛」です。亜鉛は髪の毛の構成物質であるケラチン(タンパク質の一種)を生成する働きがあり、亜鉛が不足すると健康的な髪の毛は生えてきません。
さらに亜鉛には、男性型薄毛の原因である「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素の働きを抑制する効果があるとされています。男性型の薄毛でない場合はこの効果については関係ないので、多くの女性には関係のないことかもしれません。ただ髪の毛の合成には必ず必要な栄養素なので、しっかりと摂るようにしておきましょう。
育毛を妨げる食材
育毛を促進させるために摂りたい食材を紹介しましたが、反対に育毛を妨げてしまう食材もあります。ここで重要なポイントは「皮脂の分泌量」です。皮脂の分泌量は食事によって左右されますが、これが多すぎると頭皮環境の悪化につながります。
もちろん少なくてもダメですが、ある程度きちんと食事をしていれば皮脂は正常に分泌されます。皮脂の分泌を増やしてしまう食材を紹介しますので、是非参考にしてみてください。
・糖質を含む食材
意外かもしれませんが、私たちが普段主食として食べている糖質も、食べ過ぎると皮脂の過剰分泌をまねいてしまいます。大切なエネルギーなので制限する必要はありませんが、食べ過ぎには注意しましょう。
・脂質を含む食材
糖質と同じく、私たちの体のエネルギーとなる脂質。脂質は摂り過ぎると、糖質以上に皮脂の分泌を増やしてしまいます。ジャンクフードやスナック菓子には脂質が大量に含まれており、「食べ過ぎは良くない」と言われる理由のひとつです。(塩分の摂り過ぎにもなります。)
他にもから揚げや天ぷらなどの油もの、インスタント食品やマヨネーズなども脂質が多い食材です。
・添加物の多い食材
保存料や着色料など、見た目や機能性のためにある程度は必要な添加物。しかし添加物がたくさん使われている食材を食べていると、腸内環境が悪化してしまいます。
すると血液がドロドロになったり、栄養の吸収が阻害されたり、最終的に頭皮にも悪影響が出てしまいます。健康のためにも、添加物がたくさん使われている食材はなるべく避けるようにしましょう。
まとめ
女性の薄毛は、男性の薄毛とは原因や対策方法が異なります。
男性の場合はほとんどが男性ホルモンのしわざですが、女性の場合は原因が多岐にわたるため、簡単に対策をとることができません。
ただ改善されやすいのも、女性の薄毛の特徴です。ひとつひとつ原因を探り、それに対して根気強く対応をしていきましょう。
けっして諦めず、強い頭皮を手にいれましょう。